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イギリス映画大好き・・・「Dear フランキー」

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スコットランド最大の都市(いっても人口50万くらい)グラスゴーの北西部に位置する小さな港町グリーノック。コンテナ船や外洋船が修理のため停泊する最北端の寄港地でもある。小学生のフランキーは母とおばあちゃんの3人でこの町に越してきたばかり。父親のDVから逃れるためあちこちを転々とし、この町にやってきたのだ。フランキーは赤ん坊のときに父親のDVのために耳が聴こえない。古びたアパートに落ち着いた母は近所の「フィッシュ&チップPhoto_2 ス」の店で働き始める。(未だにこのあたりではマクドナルドよりもこちらの方が流行っているようだ。)店主は気のいいマリーという女性。フランキーは魚が大好きで、そのためフィッシュは絶対食べない。新しい学校でも友達ができ(おしゃまで優しい少女と成績が悪くて少し意地悪の少年)、フランキーは学校の成績もいい。(彼は口唇術で授業も聞くことができる)母はときどき近所で新聞を買ってきて”尋ね人欄 死亡者記事”をチェックする。(父親が見つけ出しに来るのを恐れて)フランキーには「パパは船乗りで世界中を回っている。」とウソをついており、わざわざグラスゴーの郵便局の私書箱あてに出した自分が書いた「パパからの手紙」をフランキーに読み聞かせる。それPhoto_3 は世界各地の港からのものであり、フランキーは自分の部屋のカベに世界地図を貼り、パパの手紙が投函された港にフラッグを立てている。フランキーのパパへの手紙はやはり私書箱に届き、母はそれらを読むことによって息子の心に触れることが生き甲斐になっている。「早く本当のことを言ってしまいなさい。いづれわかるんだから。」というヘビースモーカーのおばあちゃんは母子の支えでもある。             

ところが”パパが乗っている船アクラ号がグリーノックに寄港する”という記事が地元紙に載りフランキーはまだ見ぬ父との出会いに期待をふくらませ、ママは仰天する。(何かの本を見て適当に付けた名前だったから)知り合いもいない町で船乗りの集まる酒場に探しに行っても”一日パパ”になって欲しいなどと見知らぬ男達に頼めるはずもなく”万事休す”というところで、マリーが「ちょうど知り合いの船乗りがその時期に寄港するので頼んであげる”という地獄に仏の助けで いよいよ”一日パパ”として”謎の男”が雇われることになる。(写真下:喫茶店で打ち合わせをするママと男)

         
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一日パパはフランキーが欲しかった「魚の図鑑」をおみやげにやってくる。フランキーのサッカー練習に付き合ったり水面への石投げの方法を教えてくれたり、一緒に食事をしたりして一日を過ごすが、男の方から「出航まで日があるのでもう一日遊ぼう」と提案されて(母は渋々承諾)次の日も楽しい一日を過ごし船に帰っていく。ラストはママが私書箱からフランキーの手紙を取り出してバスの中で読んで驚くシーン、フランキーはとっくに偽パパであることを知っており、実の父の死を地元紙の死亡欄で読んでいた。                  
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母子が並んで埠頭で海を見つめるラストシーン。フランキーが再度偽パパ宛に書いた手紙は水面の飛び石のように偽パパの船を追って彼のもとに届いてくれるのだろうか・・。(きっと届いてまた帰ってくると思う。だって「あの人は誰だったの?」と聞くママにマリーは「弟なの」と答えるから)
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「Dear フランキー」(2004)はイギリスのスコットランドを舞台にしたマイナーな映画であり、監督はこれがデビュー作となるショーナ・オーバック。カンヌ映画祭で特別上映され10分間以上のスタンディング・オベーションを受けたことから各国で買い手がつき、日本でも上映されることになった。ところが”謎の男”になるジェラルド・バトラーが先に「オペラ座の怪人」で大抜擢されてブレイクしていたため、女性ファンが詰めかけてかなりのヒットになった。(「オペラ座・・」の撮影の合間に10日間ほどで撮った映画なので、当作品出演時はジェラルドはまだ無名。しかし公開は「オペラ座・・」が先になったため「Dear フランキー」にはとても有利になった。                                                    

監督ショーナ・オーバックはジェラルドがオーディションのため部屋に入って来たとき「フランPhoto_9 キーのパパだ」と即決したという。ジェラルド・バトラーは生粋のスコットランド人でグリーノックの隣町の出身であるという。英語のわからない私でも彼の英語がスコットランド訛りのきついものであることはよくわかった。(ケルト語の影響を受けているとか。)             スコットランドはかってイングランドの支配を嫌って敵対してきた長い歴史を持ち(政略的な婚姻関係はあった)エリザベス女王は自分の思うままにならない従妹のスコットランド女王メアリ・スチュアートをロンドンに幽閉し最後は処刑してしまった。ところが「イギリスと結婚している」と豪語し生涯独身だっ彼女には当然後継ぎがなく、メアリの息子を養子にして王家を継がせることになる。(スチュアート王朝) 今でもスコットランド人はイングランドに対して反感半分、コンプレックス半分みたいな複雑な感情を有しているということで(旅行した知り合いの話)、ワールドカップにイングランドが出ても応援するムードはないという。(FIFAへの登録は別にしており、FIFAも認めている。)イングランドのプレミアリーグとは別のスコットランドリーグがあり、グラスゴーのセルティックは俊輔で日本にもおなじみになった。グラスゴーの街並み、寂れた町々、港の風景などぜひ一度は行ってみたい土地である。Photo_8

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コメント

スコットランド訛りを調べていて、こちらに辿り着きました。スコットランド出身の俳優としてジェラルド・バトラーさんの名前は何度も目にしたのですが、出演されている映画は今ひとつ興味を持てずにいました。でも、「Dear フランキー」は素敵なストーリーですね。ブログで紹介してくださって有難うございます。絶対に見ます。

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