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今日も元気をもらう映画「ベッカムに恋して」

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「ベッカムに恋して」(2002公開・英米映画・原題 Bend it like Beckham)この映画はグリンダ・チャーダというインド人の女性監督が作った映画である。主人公の高校生はジェスというインド人少女、彼女は男の子に混じって公園での草サッカーでその才能を見せているところをいつも通りがかっている同じ高校生ジュールズに見そめられ?、誘われてジュールズの所属する女子サッカーチームに入ることになる。(アマといえどもプロチームの下部育成チームみたいで、コーチはもちろん練習も半端じゃない)                         

ジェスは厳格かつ敬虔なヒンズー教徒のイPhoto_12   ンド人両親に最初は内緒にしていたがいずれはバレること、家族の猛反対に会い、いったんはあきらめる。ジェスの父に直接説得に訪れるコーチに対して父親は”かって自分もクリケットのプロになろうとしたがひどい人種差別でとうとう諦めた”話をする。しかしジェスのエースストライカーとしての存在はチームにとって不可欠なものであり、最後は父親も諦めることになる。(ちなみに現在イギリス在住のインド人移民は総人口の2%、120万人であるという)

                     

Photo_13 一方友だちのジュールズの方は典型的な中産階級の一人娘のお嬢さんで、両親共に娘にしたいことを自由にやらせるという恵まれた環境にある。コーチの青年をめぐるふたりの恋の鞘当て(さやあて)などもあり、最後は仲良くふたりともアメリカの大学の女子サッカー育成のスカラシップを得て、アメリカに飛び立つところで終わる。                   

Photo_4 ジェスにはインド系アメリカ人女優:バーミンダ・ナーグラ、ジュールズにはキーラ・ナイトレイが扮している。キーラはこの映画の翌年「プライドと偏見」でブレイクした。         

監督のグリンダ・チャーダが日系アメリカ人と結婚したためかスタッフはインド系、アジア系の人々が多い。ベッカムは最後の空港のシーンでちょい出るだけ。(搭乗するために夫婦で歩いているところ)                

少女ふたりがベッカムに憧れてはいても(プレーヤーとしての)恋しているわけではない。原題の「Bend it like beckham」とは”カーブをかけて弾道を変えろ!”→”人生を大きく変えろ!”の意味だろう。                                                                                             

Photo_6 この映画が製作されている2000年代の初め、ベッカムは不遇だった。その理由は1998年のフランスW杯でのアルゼンチン戦でベッカム(キャプテン)がアルゼンチンのシメオネに倒され、腹這いのままシメオネを後ろ足で蹴ったため一発レッドで退場になったのだ。そのため10人になったイングランドチームは苦戦し延長2:2に持ち込んだものの、結果はPK負けという結果に終わった。帰国したチームを迎えたイングランドのサポーター、メディアは”10人の勇敢なライオンと1人の愚か者”とベッカムを非難した。                      

   そもそもイングランドvsアルゼンチン戦はフォークランド戦争を引きずって、直接対決ではその勝利が両国民の悲願となっており、戦後最初の1986年メキシコ大会では”マラドーナの神の手”によってアルゼンチンが勝っており(その後の2大会は直接対決はなし)98年はどうしても勝たなくてはならなかった大会だったのだ。それをベッカムという”愚か者”のせいで負けたのだからベッカムにとっては辛い4年だったことだろう。(しかし、一発レッドにされるほどベッカムの蹴りはひどいファウルとは言えず、逆に試合巧者、したたかなシメオネの後ろからの倒しのほうがよほどカードものじゃなないのかい?と後でTVを観た人は多くがそう思った。もちろんブログ主も)                                その不遇な時代のベッカムを映画に取りあげたグリンダ監督の意図は”不遇なベッカム、そして女子サッカー普及の支援活動もしているベッカムへのエール”だと監督自身が述べている。                                                   

2002年、モヒカン狩りで日本に乗り込んだベッカムはようやく、鮮やかなフリーキックを決めてPhoto_7 アルゼンチンを倒して雪辱をはたした。会場となった新潟ビッグスワン・スタジアムは早くにチケット完売、超満員だった。           

付け足しておくと”サッカーでのハンドはつい手に当たってしまった場合でも”勿論ファウル(南アでは特に厳しくチェックされた)、しかしレフリーが認定しなければファウルにはならない。(レフリー絶対)ところが最近マラドーナが「あのハンドは俺が意図的にやったものだ。」と告白している。イングランド・サポーターにとってはもう昔日の話になっていることだろうが。  

最後にアメリカは現在女子サッカーのプロリーグを持つ唯一の国である。(アメリカでのサッカー熱の低さを見ると何か不思議だが)この映画のころのWUSAは2004年に休止、2009年に新たにWPSが立ち上げられ、世界中から優秀な選手が集まっている。日本でも澤穂希(ワシントン・フリーダム)、宮間あや(ロサンゼルス・ソル)など。

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