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韓流にはまる日々・・・あまりにも低かった女性の地位「黄色いハンカチ」・韓国ドラマ

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近頃、韓ドラから離れる日々が続いている。その理由は私の心身の弱りにもあるけれど、他の原因として見たいと思う良作が見当たらないこと。もちろん熱心に探せば隠れた良作はあるのだろうけれどその熱意もあまりなく、かといって暇々には何か借りておかなくてはということで「黄色いハンカチ」(2003)を借りてみている。全168話ということで長すぎてウンザリ(ミニシリーズと呼ばれるDVD8~9枚で18話程度が最適)と思いつつ、それでもよくできている為ついつい120話あたりまで来てしまった。                              

Photo_6 このドラマは製作当時の「戸籍制度(戸主制度)」への批判が主たるテーマであるため、かなりの視聴率を取ったという。ヒロインのジャヨンは大学以来の相思相愛の恋人と結婚寸前で手酷く振られるが、この時彼女はすでに妊娠していた。元恋人サンミンが勤め先の会社の若い女社長に乗り換え(逆玉)たのである。サンミンは彼女に「人工中絶」を強く求め、ジャヨンもそれにいったんは納得するが「おなかの中の生命を親の都合で奪えない」という気持ちから密かに男児を出産、家族(とくに祖母)の協力で働きながら育てる。(写真左:ヒロインを振った挙句、中絶手術を迫る卑劣なヤツのサンミン.写真下は左がヒロインのジャヨンで右が父急死で若くして社長になったミンジュ)            

一方、元カレのサンミンの妻になった女社長ミンジュも妊娠するが、夫に過去に恋人がいたPhoto_3 ことやあれこれのストレス(非常に利己主義で感情的な女性)で流産、その後子宮を摘出しなければならない羽目に陥り子どもを生めない身体になってしまう。そのため夫婦は養女をもらって可愛がって育てるが、或るとき元カレのサンミンは実は元恋人ジャヨンが自分のこどもを出産して育てている事実を知る。ここから、「戸籍上の女性の不当な扱い」がテーマに前面に出てくる。                                              

2003年の韓国では従来からの「戸主制度」により「こども(嫡出子=婚内子)が生まれたら全て父親の氏を名乗る」、女の子は結婚してもそのまま父の氏を婚家で名乗り続ける(死ぬまで)。従って当然「夫婦は別姓」であり、大家族ともなると祖母ちゃん、母さん、本人は全部氏が異なるということになる。これは父系制によって国民に自らのルーツを明らかにさせるとともに戸主(家父長)は一族に対して有形無形の強い拘束力を有するのである。女性は結婚しても気持ち半分は実家の父の支配下にあり、夫の家では夫や義父の支配下にありながらも、よそ者扱いされる立場であるともいえる。つまりまっとうに全人的に存在する場所がないのである。(ブログ主は夫婦が同姓でないと家族愛が薄まるなどという考えに組しないが、韓国の妻たちが夫の家で家事労働者のように扱われ、「よそ者」として見られることが差別であるといっているのだ。とくに子どもを生まない妻は。)

Photo_4 ところでこのドラマのヒロインは非嫡出子(婚外子)を生んだのだが、その場合戸籍制度では「もし実父が認知すれば父の氏を名乗り、認知しなければ母の氏を名乗る」ことになる。ヒロインの息子は従って「戸籍に父の名のない非嫡出子」として母親の氏のユンを名乗ることになり、ジャヨンそれを覚悟して差別にめげない強い息子を育てていく決意を固めていたが、新しい恋人ヨンジュンと結婚することになると事態がややこしくなり始める。(ヨンジュンは人間性、教養、理知性を備えた立派な男性)再婚を知った元カレは自分の息子に未練が出て早々に「認知申告届」を出し、加えて息子の養育権まで奪おうと考え始める。・・・                                                  

「こんな法律、認められない。出産して苦労して育て自分の命より大切な息子をヒトデナシの元カレに奪われるなんて到底納得できない。」・・憤り、泣きわめくヒロイン。しかし韓国の戸籍制度では「婚外子は父親が認知すればいつでも父の氏に入る。」「養育権、親権も父に移る。」(以上は母親の許可なくても)「母親が再婚しても子は新しい父の氏は名乗れない。」というものだった。・・・・                                             

とこういう理不尽極まりない男女差別の戸籍制度がドラマのテーマになってくる。ところで2008年、この理不尽極まりない戸籍制度(戸主制度)を韓国はスッパリ廃止してしまった。新民法では戸籍(家ごとに国民を登録する制度・これは現在世界では中国と日本だけが行っている制度)のかわりに『家族関係登録簿制度』・・(①家族関係証明書 ②基本証明書 ③婚姻関係証明書 ④入養関係証明書 ⑤親養子入養関係証明書 の5種類の書類)が場面によって発行されることになったのだ。つまり個人登録制になったのだ。              

ちなみに①を見ると「☆本人の氏名・生年月日・性別・住所 ☆配偶者(いれば) ☆両親(がいれば)の氏名 が記入された実に簡単な文書だ。以上の5種類の文書を必要に応じて組み合わせて使用するわけで基本的には「個人1籍、戸主もいないため誰の氏を名乗っても良いということになる。これは現在の世界の「国民登録制度」の殆どが採用しているシステムである。もちろんコンピューター管理により個人IDが作られるわけであるが、「住基ネット」のようにリンクするべき戸籍もなく、将来さまざなな個人情報を集積することはなくこれはあくまで国民ひとりひとりの必要最少限のもの。            

さらに嫡出子、非嫡出子の身分、相続上の差別はない。 現在の日本はどうかというと「戸籍制度」(結婚したら新戸籍を作り、どちらかの姓、または新姓に統一する。戸主は廃止され戸籍筆頭人と呼ばれる)のもとで本人の親たちを含む家族の出生、居住地(ルーツ)結婚、離婚、再婚、死亡、養子、認知などの家族史が芋ずるのように記されている。さらに夫婦は同姓でなければ認められず、事実婚には多くの不利益が伴う。(非嫡出子の相続分1/2、扶養義務の有無、税の配偶者控除なし、離婚の慰謝料なしetc。とくに現在、非嫡出子の相続差別をしている先進国は皆無。)「夫婦同姓でなければ家族愛が湧かない」などとのたまう政治家がいて、世界で「戸籍制度」を持つたった二カ国のひとつの日本、とうとう意識改革で韓国に追い抜かされてしまいました。何かまとまらない文になってしまった。(すみません)   

最後に「黄色いハンカチ」の意味は山田洋次監督の映画と同じで、アメリカのピート・ハミルの小説「幸せの黄色いリボン」から取られ『待つこと、許すこと』という意味が込められているそうです。(下の写真:女社長の妹とヒロインの弟。ふたりはドラマの中ではその複雑な関係ゆえに恋の成就をあきらめますが、共演した俳優さんふたりは意気投合して実生活で結婚したそうです。結婚式のふたり)          Photo_5

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コメント

はじめまして。

タイトルに惹かれ、いつの間にか最後まで読ませて頂きました。


タイトルに惹かれた理由として、まず私が「イ.テラン」さんのファンでもあり最近ですが『黄色いハンカチ』を見始めたばかりだった事です。

DVDで10巻程を観賞しておりますが…

私事なのですが、このblogを拝見した後にチョット後悔の念が…。

何故なら…


後のシナリオが分かってしまった事…(笑)

しかし、まだ画像を通して観たわけでもないので楽しみはあります(笑)


私が韓国に興味を持ち始めた韓国のドラマや映画から、いろんな韓国文化!

blogで記されてる様な、過去の「戸籍制度」には驚かされました!


ある面では日本の古き良き時代の文化に近い所が …あるのかなぁ!?

と…


いゃ~!
大変、勉強になりました☆


韓国戸主制度廃止は 2005年です.

戸主制度廃止に関する記事
http://www.hani.co.kr/section-005000000/2005/03/005000000200503010029172.html

ドラマは聴視率確保のために刺激的装置による課長が多いです.

戸主制度が存在した当時にも.
私生児の親権訴訟問題で
戸主制によってで, 親権の決定がお父さん側に有利だったという点はなかったです.
(むしろお母さん側に親権が有利に判決したのが多いです.)

ただ, 氏姓改名問題の不合理性は
氏姓を持っているどの国家も存在して
過去歴史の間男に有利だったことはあります.

しかし, ドラマから出るように, 女性差別的な制度ではなく,

子供の氏姓改名許可によった,
自分も分からない近親相姦の可能性が少しでも存在するようになるという反対側と
平等権違背の違憲的要素をとり除かなければならないという賛成側の対立があったし,

結局, 平等権を重要視する戸主制度廃止賛成側が多い支持を得て
男性に有利な戸主制度廃止に成功しました.

戸主制度廃止で
韓国は子に氏姓を譲ることを
夫婦が合議して決める選択制に変更されました.

子にお母さんの氏姓を譲っても合法です.
もちろんまだ大多数は過去慣習的影響で
お父さんの氏姓を譲る事例が多いけれども.

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