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まだまだアジアカップの話・・・チョン・グアンレ監督の誇り


数日前に読んだサッカージャーナリスト大住良之氏のエッセイ、とても印象に残ったのでその一部を引用させて頂く。「・・・(延長戦後半12分過ぎ?)無理な体勢でクリアした長谷部誠選手が倒れたままとなり・・自陣でクリアボールを拾った韓国は右に運び、日本陣に入って右サイドバックのチャ・ドゥリ選手がボールを受けます。ゴール前に入れようとする車(チャ)選手。日本の選手たちは「外に出してくれ」と叫びます。長谷部選手が倒れているのはペナルティエリアの左外。チャ選手がそのままボールを入れても直接の危険はなさそうです。ゴール前に入れようとするチャ選手。しかしそれを止めた人がいました。すぐ外にいた趙広来(チョン・グアンレ)監督でした。一瞬考えたチャ選手は左足でボールをタッチラインの外に出し、悔しそうな表情を見せました。(写真下:韓国代表監督チョン・グアンレ)                                   

韓国にとって、今回のアジアカップは何が何でも優勝したい大会でした。1956年の第1回大 会と次の60年大会で連続優勝を飾った韓国でしたが、その後は栄冠から遠ざかっています。アジア最多の7大会連続ワールドカップ出場を果たし、02年にはベスト4という金字塔を打ち立てた韓国のサッカー界にとって、受け入れ難い事実であるに違いありません。    

ベテランの朴智星(パクチソン)選手と李栄均(イヨンピョ)選手がこの大会を最後に代表から退くという話もあり、チームが一丸となって優勝を目指していました。・・・(中略)・・・     

チョン監督は現役時代に韓国代表として何度も日本と対戦し、負けたことがありません。試合中は徹底的に勝負にこだわり、選手にも審判にも叫び続けている熱い監督ですが、何よりも韓国のサッカー人として日本には絶対に勝ちたいという強い思いを抱いているはずです。

その人が日本に1点をリードされ、残り時間も少なくなったときに自らチャンスを捨てるよう選手に指示したのです。そこには国籍や状況を超越し、ひとりのスポーツ人としての強い誇りが感じられました。今回のアジアカップの中で、私が最も感銘を受けたシーンでした。」(以上 大住氏)   

私も覚えている、このときのこと。韓国にとっては絶好のラストチャンスになる筈だったがゲームが中断し悔しそうだったチャ・ドゥリ。しかしチョン監督の人となりを大住氏ほど知らない私は氏ほど強い感銘を受けなかった・・(やはりいろいろ知識がないとゲームを深く見られませんね。中田ヒデなどもこちらの好機でも相手が倒れたままのときは必ず蹴りだす選手だった。チームメイトにイヤな顔されながら)            

Photo_3 ここからは私の独断の推論。このあとロスタイム終了間際で本田拓也のファウルでFKを取られた日本は韓国の執念でとうとうゴールを割られて同点に追いつかれ、PK戦に持ち込まれた。・・・その最初の韓国のキッカーがグ・ジャチョル。彼は今大会で5点を上げ「得点王」に輝いた選手だ。一番手で蹴っても不思議はない筈だが、私は???と思った。(写真左:韓国の期待の星 グ・ジャチョル)                                 

PK戦でのPKの成功率は77%程度だという。どんな名選手でも外すものだ。それはPKが単に技術の問題ではなくキッカーとキーパーの心理戦争、メンタリティ、キッカーの一瞬の読みなどがとても大きいからといわれている。南アという大舞台でのPK戦を経験しているベテラン川島に対するグ・ジャチョルは余りにも未熟と思えた。彼がいくら得点王でもアジアカップが彼には初めての国際大会(東アジア選手権にも少し出たらしいが)、気持ちで負けるほうが自然だろう。PK戦は1番と5番のキッカーがキーといわれている。         

パクチソンを一番にするのは彼がキックに弱いのと、ましてや激しい運動量でゲームを終えた直後に、もしミスったらその後の韓国キッカーへの影響は計り知れないから蹴らせなかった。(これはどなたかが書いて おられた受け売り) ならばキッカーとしてチーム・NO.1のキ・ソンヨンは?・・ (写真右)        

チョン監督は本当は彼を一番にしたかったのではないかと私は思う。しかし敢えてしなかった。彼が試合中(前半のPKに成功した直後)にやった”チョッパリ(日本人への蔑称)への猿のしぐさ”で。相手チームを侮蔑するバカなことをした選手を1番手に置くことは恐らく監督にとって相手チームへの配慮の無さ、さらにソンヨンの行為を是認したと憶測されても仕方のないことだから・・。これはあくまで私の推測です。この推測によればキ・ソンヨンのスポーツマンシップにもとる愚かな行為で韓国はPK戦を落としたかもということです。(あくまでタラレバだが)何はともあれ、あれこれ思い出すことの多いアジアカップだった。しかし功労者は何といっても川島。「どこにも蹴らせないぞ」という威圧感は韓国選手にとっては恐怖だったことでしょう。

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コメント

試合を両者の納得でいったんとめることが出来るというのは、このスポーツは紳士のものであると思われる。審判もこれには逆らえないのだから、選手のスポーツ精神が試合の進行に大きな影響を持つということだ。今回の大会では審判の頼りなさが気になったが、こういうことで補完されるのはとてもよい。長谷部が最後まで試合を全うできなかったことを反省していたが、よほどの疲労であったのであろう。

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