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韓流にはまる日々・・「嘘・偽りの愛」

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「彼らが住む世界」「花よりも美しく」「グッバイソロ」「愛の群像」etc・・の脚本家ノ・ヒギョンが初めてブレイクした作品「嘘・偽りの愛」(1998)は、その後、独特の「ノ・ヒギョン・ワールド」にはまるコアなファンを有することになった。かくいう私もノ・ヒギョンのドラマはほぼ見てきており、このドラマ「嘘(コジンマル)」がDVD化されるのを期待して待っていたのだった。     

ものがたりはひと言でいえば「不倫、三角関係」モノ。ドラマは必要不可欠な存在の登場人物以外は極力削り取られ、「道ならぬ恋」に苦しむ主人公の心情の起承転結に焦点が凝縮されて20話にきっちりまとめられている。                                             

主人公ソンウ(ノ・ヒギョン作品のミューズ、ペ・ジョンオク)は30才を過ぎたキャリアウーマンPhoto_2 で母とふたり暮らし。先輩(女性)の経営する小さなインテリア会社の室長、といっても彼女が率いる社員は彼女以外に4人のみ。ソンウは過去に何回か恋をし、傷ついた経験を持ち、すでに30才後半になり、父亡き後ふたりきりで生きてきた母の悩みのタネとなっている。そんなソンウが新しい恋に陥る。相手は新入社員のジュニ。ソンウより年下で、8年前に結婚した最愛の妻ウンスがいる。ウンスもまた金属工芸作家として自立した女性だが彼女の悩みはこどもができないこと。(不妊の原因も特にないのに)そしてウンスにとって決定的な不幸が起きる。子宮筋腫が見つかり子宮を全摘しなければならなくなったこと。夫のジュニが「子どもなどいなくてもいい」といくら慰めても悲しみ、落胆は収まらない。さらにウンスには夫ジュニへの負い目があった。彼女のふとした過失でジュニが右手を怪我し、指の細かい作業が出来なくなり版画家としての生命を断たれたこと。ジュニは版画家であることを捨て、ソンウの勤めるインテリアの会社に入社したのだった。                        

ジュニは妻を愛しながらも上司であるソンウに次第に心惹かれ、ひたむきな想いを寄せるようになる。ソンウはそんなジュニを最初は「微笑ましいが少しうとましい存在」くらいに思っていたのだが、次第にその一途なひたむきさにほだされ、心の空虚が充たされるようになり、遂に相思相愛になってしまう。ふたりは世間から隠れて逢う瀬を重ね(なぜか最後までプラトニック)、夫の心変わりに気づいて苦しむ妻ウンスや彼女の病気にかまう余裕もないほどジュニはソンウに心が傾いていく。             Photo_3                                   
夫の心が再び自分のもとに帰らないことを知った妻ウンスは夫ジュニを自由にしてやるために離婚を決意、ひとりで入院して手術を受けた後、姉の住むパリに去る手続きをする。一方ソンウは母や先輩の社長から「この恋の成就はあまりにも重い荷物(精神的な負い目)をずっとひきずって行くことになる。」と反対されるがそれを押し切ってジュニとの結婚を決心するのだ。                                                     

しかし、晴れて結婚できるようになった筈が現実はそうはいかなかった。ジュニは妻から離婚届をもらい、いざ別れる段になって次第に笑顔を失い、暗い表情に変わりはじめる。改めて気づいた妻への愛情、良心の呵責に苛まれて。ソンウの方もふたりの結婚生活を破綻させた責任感に苦しみ、さらにジュニの辛い表情を見て、決してこれからの生活が幸せなものではないことを痛感する。そしてとうとうジュニに別れを告げる。ふたりでNYに行って結婚する予定だったのが結局ジュニひとりでNYに発つことになる。                                    

この間、母が初恋の人と再会して結婚し(ふたりとも既に配偶者を亡くし、子どもたちも再婚Photo_4 に賛成) ソンウはひとりで相変わらずインテリア会社に勤めつづける。1年後、先輩社長から「ジュニとウンスがNYでたまたま出会ったらしい。だけどそのまま何もなく別れ、復縁しなかったとか。」と聞く。(写真:ソンウ母と再婚する大学時代の先輩。新聞社をリストラされて(記者、コラムニスト)落ち込むが、世間の目など気にせず新聞販売店を起こして新妻を養うという生活力のあるオトナの男。)                                          
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ラストは母に「今度こそいい人と」と背中を押されてお見合いのためにホテルのロビー(喫茶室)に行くソンウ。相手は地味で誠実そうなかなり年配の男。そしてそのロビーの離れた席に仲良く座って幸せそうにおしゃべりをしているジュニとウンス。会話の内容から彼らが大分前に復縁していたことが伺われる。ドラマは室外の遠方からこの二組のカップルを捉えてエンドとなる。                    

このドラマ、私的には全くはまれないというか、主人公たちに感情移入できなかった。まずジュニ、この男性は芸術家であるからか未だ大人になりきっていない。人(ソンウ)を好きだという気持ちをコントロールできなくなるのは分かるが、妻を傷つけ離婚を決意させるところまで行ったのならそれを貫徹すべき。重荷(良心の呵責)や妻への心残りでフラフラするのはだらしなさすぎる。結局ふたりの女性を傷つけた「純情」はあまりにも大人気ない。                     

次にソンウ、結局ジュニにほだされて手酷い目に遭ったというところだが、これも自業自得とPhoto_7 いうのは酷か。結局、世間的には年上の女が罪を被ることになるから、という訳ではないけれどソンウ(ペ・ジョンオクssi)には最後まで「未成年男」を軽くあしらって欲しかった。それか結婚などしなくても修羅場になってもジュニと浮気すればいい。(心変わりするまで)   

最後に妻ウンス、美人(ソンウがこれを気にするのが私には気に入らない)で賢くライフワークも確立しているのになぜ子どもにこだわるのだろうか。ウンスが夫との離婚を決意してソンウに会うとき「ひとつだけ頼みがあります。こどもが出来たら写真見せて下さいね。ジュニの子どもを見たいから。」・・・ソンウは「私も子どもが生めない身体なんです。」と切り返す。(子どもが生めるから選ばれたんじゃないよ、といいたかった?)                            

こういうドラマは苦手ですね。それに3人が泣くこと泣くこと。ソンウのペ・ジョンウォクssiに泣き顔は似合わない。ジュニ演じるイ・ソンジェssiのファンということでも期待していたのだが、男にこう泣かれるとイヤになる。泣き虫の「お子チャマ男」に扮した彼を見たくない。このドラマがきっかけで翌年、映画「美術館の隣の動物園」に抜擢されたということだが、映画のチョルスの方がよほどいい。イ・ソンジェという俳優はむしろ2枚目半あたりがはまり役なのだ。(「美術館・・」「吠える犬は噛まない」「大韓民国弁護士」など)                  

サイドストーリーとして新聞記者ドンジと街娼セミの恋の成就が出てくるのだが、一見ありえない恋人関係とはいえ、ありえるように思えてこちらの方が好感をもてた。Photo_6 (写真下)

付記:ドラマの題名「嘘(コジンマル)」について。人はそれぞれ少しずつ他人や自分にウソをついて(幸せに穏便に傷つかず)生きていくのだということか?。              

例えば嘘① ジュニとジョンウは復縁して幸せに暮らしているが、恐らくそれぞれの心中に少しづつ嘘をつきながら暮らしている筈。別れを決意するジョンウも然り。② 先輩社長がソンウに「ふたりはNYで再会したが復縁せずにそのまま別れたらしい」というのは社長がソンウを思いやってついた嘘。③ 記者ドンジは街娼だったセミとの結婚にあたり、両親や周囲にはセミの身の上については真実を話さず(話す必要ない)嘘をつき、さっさと上海支社(当時は誰もが行きたがらなかった僻地?)への転勤を希望して愛を成就させるという生きる力のある男。(セミも中身は純粋でまっとうな女性)・・。ふたりは周囲に嘘をついて恋を実らせた。・・という風にいろいろな嘘がドラマにちりばめられている。                                            

付記:独断と偏見で書いた一文を早速読んで頂き、メールを下さった○○様、どうも有り難うございました。登場人物の名前の間違い訂正いたしました。(汗) コメント頂くのって嬉しいものですね。                                           

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コメント

はじめまして。「嘘」の感想、楽しんで読ませていただきました。
確かに、ジュニは「お子ちゃま」。ソンウが言った唯一の魅力
「嘘をつかない」というのも逆に欠点でもありますし、いいところがない。
もしかすると、ノ・ヒギョンさんが「不倫」について
こういう作品が作りたいという全体像がまずあって
ジュニはああいうキャラクターにされたんじゃないかと思ってます。
ジュニよりもジュニを挟んだ二人の女性に重点を置きすぎたのかもしれませんね。

ところで、ユ・ホジョンさん演じる妻の名前はウンスではないでしょうか。
ウンスがソンウに「ジュニの子どもが見たい」と言ったのは、
純粋にそういう気持ちもあったのかもしれないけど、
ソンウの良心の呵責を増幅させるための最後の復讐だったのではないかという気もします。

ソンウがウンスに「子どもを産めない」と言ったのは、
「ジュニと別れるから自分にはジュニの子は産めない」という意味だと思います。
その後のウンスの顔が絶妙で、かすかに微笑んでいるようにも見えます。

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