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陰鬱な雨の日、心も落ち込むけれど・・「イギリスに憧れて」

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梅雨に入ってから陰鬱な雨の日が続いて心が落ち込む。小さな庭を見ると花の終わったバラの樹、蕾が膨らんできたユリなどが雨に濡れてそれでも活き活きと緑の葉っぱを光らせている。放射性物質の塵を含む雨なのだろうけれど木々や花は何も知らずに雨を享受している。・・・ (写真上はイギリス・湖水地方の草原)                                                 

ブログも最初は毎日書いた(我ながらすごい!)のだが(マイナスな心に陥る暇を持たないため追われるように書いたのだ)、つまらない文章でも書くということはとても大変、楽しいことばかり書こうと思っていてもそうは問屋が卸さず、書いていくうちに落ち込んでくることもある。(特に映画)・・ということで最近はせめて週2回は必ず更新という目標で書いている。(のだけれど)                   

去年の8月に初めてブログを書き初めた頃、「イギリス映画大好き」でケン・ローチ監督の「明日へのチケット」、マーク・ハーマンの「シーズン・チケット」を取り上げた。彼らの映画は徹底してイギリス社会の底辺を構成する人々に焦点をあてており(とくに1980年代、サッチャー政権下での大失業時代の)日本でも高い評価を受けたモノが多い。                

ところがそれらと対極にあるような中上流階級の人々を描く映画(特に時代モノ)も多くあり、こちらも私は好きで可能な限り見ている。(とくに最近は18世紀末の作家ジェーン・オースティンのブームで「プライドと偏見」「いつか晴れた日に」「エマ」などが続々と映画化されている。私は原作は殆ど全部読み、映画化されたものはすべて見た(威張ることでもないか)。                                        
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原作はともかくこれら映画の魅力はイギリスの田舎、現存する貴族やジェントリーの別荘(マナー・ハウス、カントリー・ハウス)、素晴らしい自然の風景がふんだんに出てくることにある。
「日の名残り」の監督ジェームズ・アイヴォリーの作品もそうだ。この人もこれぞイギリス映Photo_3 画、という作品を作る人でともかく彼の映画に出てくるイギリスの田舎の風景、森や湖、ロンドン郊外などの風景は素晴らしい。(「眺めのいい部屋」「モーリス」「ハワーズエンド」「日の名残り」しか見ていないが。)映画の背景は全て19世紀~20世紀初め、登場人物は貴族(といっても下のほうの伯、子、男爵クラス)と富裕な商人?の家族と彼らにかかわる庶民。「眺めのいい部屋」(1986)は中でも高く評価されて何か国際映画祭の受賞もした記憶がある。(上のポスターはアイヴォリーの作品のひとつ「ハワーズ・エンド」。中でもいちばん私の好きな作品。写真右:ロンドン郊外のハワーズ・エンド。建物は古色蒼然だが建物を取り巻く庭や自然の美しさといったら・・。 Photo_10                     

物語は「ハワーズ・エンド」と呼ばれるロンドン郊外のマナーハウス(元貴族やジェントリーの邸宅)を巡る2つの家族の悲喜こもごもの物語で、貧しい銀行員の青年や元売春婦の妻なども絡み、イギリスの階級社会、富裕な人々や元貴族たちの退廃なども描かれている。。(写真左:夜、森の中をさすらうシーン。青い花のあまりの美しさにCG?と思ったが、実はブルーベルの花の群落はイギリスのあちこちの公園に見られるそうだ。(左下はウェークハーストガーデンのブルーベルの林)   
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当時富裕な人々はロンドンと田舎とに住まいを持ち、季節や仕事の都合で住み分け、どちらの生活も楽しんでいた。そして必ず何ヶ月もの長い旅(国内各地やイタリアのフィレンツェ、ベニスなど)に出るのだ。親戚や知り合いの家に長期滞在したり、定宿を持っている。イギリスでよく出てくるのはスコットランドの「湖水地方」、ウェールズなど。              

貴族たちが旅する「湖水地方」はスコットランドにあるイギリス随一の自然の森や原野、湖水など。 (写真下:湖水地方)Photo_14  Photo_15 Photo_16 イギリスはかって数回に及ぶ資本家や地主の囲い込み(エンクロージャー)によって自然や風景は壊され、さらに産業革命による人口の都市移動によって荒廃したのだが、その後自然環境や景観を取り戻し保護する市民団体(ナショナル・トラスト)の運動によって見事に復活した。湖水地方を始め国内に存在する保護地域は現在300万人の会員と国との協力で管理されている。(写真下:そのひとつ、コッツウォルズのピーター・ラビットの村。ハリー・ポッターはこの村をイメージして書いたという。)Photo_17

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