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が韓国・江原道・平昌市が2018・冬季オリンピック開催地に決まった・・・「冬のソナタ」のドラゴン・バレースキー場の美しいシーンがよみがえるのだが

Photo すでに昨日の夕刊のニュースで取り上げられたように、南アのダーバンで行われていた2018冬季オリンピックの開催地が決まった。韓ドラファンにはお馴染み「冬のソナタ」のあのドラゴン・バレー・竜平スキー場が・・。正確にはドラゴン・バレーは平昌(ピョンチャン)の一部だが。ホテル改築の仕事でやってきたユジンとミニョンが次第に心を通わせていく場所。夜のゲレンデ、人工降雪機から舞い落ちる雪のシャワーを背景に歩み寄るふたりの美しいシーンは忘れがたいものだった。                                       

平昌は3度目の候補で今回は一回目で圧倒的多数の得票を得て、ミュンヘン、アヌシー(フランス)を抜いて当選した。流暢な英語でプレゼンテーションを行ったキム・ヨナは現役であるだけに、同じく往時のフィギュアの女王であるカタリナ・ビット(当時は東独)を上回る存在感を示したことだろう。彼女たちはいずれも両国の誇る最高のすばらしい広告塔という役割を果たす結果になった。キム・ヨナはこのたびの「招致」の仕事にかかわる為に2010・グランプリ・シリーズをパスし、2011のシリーズもスルーするというのだから如何に韓国政府が「平昌・冬季五輪」を成功させるために彼女に期待を寄せているかがわかる。Photo_2                                                        

韓国はこの冬季オリンピックの招致には並々ならぬ力を入れてきており、サムスン電子イ・ゴンヒ会長をIOC理事に送り込み、李明博大統領までもがわざわざ南アに赴いての成果だった。お膳立てをしたのはアメリカの「ヘリオス・パートナー」という世界的スポーツ・マーケティングエージェントで、これまでいくつものオリンピックや世界大会の招致を成功させてきたという。

オリンピックは「都市」主催だから平昌市(ピョンチャン)が主催ということになる。調べてみたら平昌市はソウルからクルマで3時間ほどの人口5万余の山に囲まれた地。ドラゴン・バレーを含む一帯は韓国有数の高級リゾートであるそうだ。今回の「招致」成功は住民の92%が「招致賛成」ということも大きな要因であったともいわれている。ライバルのミュンヘンでは「環境破壊の五輪反対」を掲げる環境保護団体や市民の反対デモも行われたとか。       

ところで私自身は幼い頃からオリンピックに憧れ、東京オリンピック(1964)の直前に開通した東海道新幹線にこの年初めて乗って東京に行った。オリンピックはすでに終わっていたがそのために作られた施設、競技場はいまだ何やら国際的な香りを東京の街全体に放っていPhoto_3 るようだった。(写真右:このとき建設された代々木競技場)                  

しかし、その後いくつものオリンピックを経て現在ではすっかりオリンピックに関心を失っている。というよりソルトレイクシティ(冬季)、ロサンゼルス、そして直近の北京で表面化したさまざまな弊害に「もうウンザリ。オリンピック要らない。」派になってしまった。          

そしてその間「長野オリンピック騒動記」(平川俊英:草思社)を読んで、オリンピックの不正で汚れた裏舞台を知って唖然となり、いっそうその気持ちを強めたのだった。長野オリンピックの招致運動から終焉までを記したこの著は、招致のためのIOC理事たちへの賄賂、接待、国内の関係者たちの利権アサリ、収賄、さらには巨大建造物を作るための自然破壊、湯水のごとく出て行った巨額のカネは当初の予算5億をはるかに上回る25億となり(ほとんどが長野市、長野県、そして国の援助つまり国民の血税)。極めつけは、長野五輪の会計簿(出納帳)が未だに公開されていないばかりか、どこかでだれかが償却処分してしまったというとんでもない事件。その赤字分は現在も長野市民や県民の税負担の一部になっているという。結局、長野五輪は莫大な赤字と自然破壊を残して終わった。                          

選手たちにとって自国開催ということは大きなチャンスだ。栄冠を得るための日々の努力は技術の水準を飛躍的に高めることになるかもしれない。しかし公が国民のスポーツの享受に日ごろからカネをかけず、劣悪な環境でほぼ自力で(ときにはスポンサー企業を得て)やらざるを得ないことの改善のほうが先ではないのだろうかと思ってしまうのだ。           

平昌(ピョンチャン)開催によって韓国国民が得るものが大きいことを願ってやまないが、しかし果たしてどうなのだろうか。韓国はもともとウィンタースポーツは盛んな国ではない。日本よPhoto_4 りも冬は寒いのに、スキーができるほどの大雪が降らないのは大陸からの冬の季節風が乾燥しているため。韓ドラではソウルの街のあちこちに積もる雪、ちらちら落ちてくる雪のシーンは多いが、山間部の大雪でもせいぜい30センチ前後であり、日本のように十数メートルという豪雪はないという。従ってスキー場の数も少なく、平昌も長野県の中規模程度のスキー場並みで付随施設も少ないという。最近は日本人観光客用に豪華なホテルも立ち始めているらしいが。(写真右:開会式予定地) さらにアルペン競技などに必要な急傾斜地が殆どないということである。「冬ソナ」のロケ地めぐりツアーに参加したファンによれば「平昌は何もない静かな山中」でソウルからのアクセスも悪いとのこと。今回のオリンピックのために自然の豊かな江原道にインフラの建設、リゾートホテルやマンションを林立させるのかと思うと、「新たな地平線」をコンセプトにする平昌・冬季オリンピックを韓国が勝ち取ったことを素直に喜べない気持ちだ。(写真下:緑豊かな江原道・カンウォンド)Photo_5                                                
すでに韓国ではこの吉報を受けてゼネコン、カジノ、リゾート、ホテル産業などの株が上昇し始めていると報じられている。                                       

近年の韓国経済の躍進はめざましい。GNPはおそらくここ数年で日本を抜く勢い、電子産業ではサムスンはいまや世界のトップ、LG電子が2位の地位についた。その韓国がアメリカとFTA(自由貿易協定)を結ぶや日本政府も焦りに焦り、TPPを結んでアメリカのご機嫌を壊すまいとしている。しかし頭を冷やして見れば韓国はそんなに国民が幸せな国なのだろうか。先だってのバンクーバー五輪でのメダル獲Photo_6 得数は韓国14(金6)でアジアでトップ、日本5(金0)という活躍ぶりである。しかしその成果はアジア人に適したスピードスケート(とくにショートトラック)に特化して選手を育成、サムスンの支援でソウル郊外に巨大な育成施設を持ち、主として88年ソウル五輪以後に生まれた新世代の選手を育てている。(パルパル・88の子 )そしてメダル獲得者には報奨金(金で530万円・・)と生涯年金、男子は兵役の免除(実際は4週間のみ)などの特典がつく。      

このような韓国のスポーツ振興策(国民体育振興公団を通じて行われる。国家予算から400億、わが国5億と一桁違う)は次のソチ五輪においても「アジアでトップのウィンタースポーツ国」の地位を得ることになるであろう。                    

韓国は今や東アジアやASEAN諸国の中でも最もめざましい経済発展を遂げているといわれている。サムスンやヒュンデが五輪を招致を後押しし、「アジア随一のスポーツ大国」のブランドを自らの企業イメージに取り込みたいのはいうまでもなかろう。しかし見込まれている「平昌・冬季五輪」の経済効果65兆ウォン(5兆円)はどれほど多くの国民の生活向上に役立つのだろうか。            

現在韓国では一握りの大企業と零細企業の二重構造が年々すすんでおり(日本の場合はその間に中間的な企業群の層があるが韓国の場合はあっても非常に少ない)、大企業の海外流出(低賃金を求めてASEAN諸国へ)による雇用の悪化は全労働者の1/2が契約社員(日本は1/3)という実態を生んでいる。国民は一握りの大企業への就職を目指して無いカネはたいてこどもを大学に入れ(進学率81.9%、ちなみに日本56,8%)、留学をさせるのだ。大企業に入れない場合の受け皿は、官僚になること。韓ドラを見ているとその手の話はいやというほど出てくるし、ヒロインが幸せをつかむのは最後は「グループの御曹司との結婚」というシンデレラ・ストーリーだ。韓国ドラマにはまり、韓国の家庭料理を食べ、できたら語学留学でもしたいほどの私だが、長野・冬季五輪を経験した日本人として、2018平昌・冬季五輪を素直に喜べないのである。Photo_8 

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